プロジェクト概要:

エリア:東京都
業種:情報通信業(IT・インターネットサービス)
企業規模:101~300名
プロジェクトの目的:サービスサイト掲載のための企業ページを短納期で大量作成
解決した3つの課題:1. 150人月のリソース不足 2. 企業選定・情報収集・執筆・カテゴリー仕分けなどの複合業務 3. ワーカーによる品質ブレ
主な実施施策:ワーカー採用、短期×大規模実現のための業務の再設計、ワーカーの育成マネジメント
主要成果:商談から2週間でプロジェクト始動、計600名を採用、150人月(24000時間)を育成含め2.5ヶ月で納品
ご相談前の状況:
外注を検討することになった背景
上場を視野に入れた短期・大規模プロジェクトを担当者1名で完遂しなければならず、内製化が不毛な状況。設計・採用から制作までを一気通貫で依頼できるパートナーが必要ということで、ユニセルに相談がありました。
【プロジェクト背景】解決すべき3つの重要課題
成功イメージが湧かない、【150人月】のリソース不足
2.5ヶ月の短期間で6500件のボリュームを制作するには、
・準備期間
・途中離脱
・稼働の衰退
・品質調整
などを考え、150人月のリソースが必要。
過去に依頼していた作業者ではとても足りず、大半をイチから採用することになり、採用スピードに加えて品質や稼働状況に応じた臨機応変な調整が求められました。
一気通貫で対応できず、作業者の適性も分かれる複合業務

企業選定・情報収集・執筆など、作業者の得意領域が異なる複数工程に分かれた複合業務になります。
さらに、業種カテゴリ別に希望の納品スケジュールが異なるため、各工程がバラバラに動いている状況で、選定した企業の途中調整なども発生する想定でした。
大規模案件最大の悩み「管理の難易度」と「品質ブレ」
納品フォームなどでできる限り制御はしますが、自由度の高い項目ほどケアレスミスや品質ブレは起きやすいもの。
例えば、年月は「2026年8月」という表記に統一してほしいとオーダーしても、「令和8年8月」「2026.08」など、異なる表記で納品する作業者は必ずいます。
そのため、レギュレーションを統一するための設計や、品質にあわせた発注量の調整などが必要でした。
【実施内容】
複雑をシンプルに|複合業務を分解し、作業者適性にあわせ再設計
「一体誰ができる?」を「誰でもできる!」に変える設計
複合業務でただでさえ対応できる人材を探すのが難しいのに、大人数の採用必須!
この難題を前に、「なんか面白そう」と思ってしまうのがユニセルです。
「連動していて分けられないのでは?」という先入観は捨て、ディレクターが過去の経験をもとにどんどん分解。「誰でもできる、ミスの少ない簡易タスク」までの落とし込みを目指します。
ただ、分解した状態では、細かすぎて管理がしづらい一面も。そこで今度は、新たな視点で一度切り分けた業務をつなげていきます。
この「つなぎ」の部分を設計するのがディレクターの腕の見せ所。
作業者をイメージしながら、適性や管理のしやすさなどを考慮し、作業用のシートや連携方法、マニュアルなどを再設計していきます。
具体的な手法|すべて分解し、つなぎ直す
アイミツサイトの企業ページ作成にあたり、
掲載企業の選定
企業情報の収集
企業紹介文執筆
文章校正
画像収集
対応サービス(指定項目)の収集
など複数の工程に分かれていたため、まずは工程別に業務を分解しました。
例)
【掲載企業の選定】
・業種×エリアでGoogle検索
・検索上位50ページまでのページリンクを取得
・該当業種の企業ページか否かを判定(ポータルサイトや個人ブログなどを除外)
・掲載要件を満たしているかの判定(法人規模など)
など
次に、作業者をイメージしながら、「どこでミスが起きやすいか」「どうすれば進行がしやすいか」を考え業務のつなぎを設計していきます。

基本的には適材適所になるよう組み立てますが、作業者の適性とスムーズな進行を考え、敢えて通常は依頼しない業務を組み合わせることもあります。
例えば、文章校正者への画像収集の依頼。校正者は不備なく正しい手順で作業することが得意なので、今回は敢えてセットで依頼してみました。
依頼にあたり、自動でリネームできるシートを用意し、格納先の個別フォルダに遷移するリンクを載せています。こうしたちょっとしたフォロー設計の積み重ねも、最短でミスなく作業できる体制づくりにつながっているかもしれません。
初手に全力を注げ|1週間で戦力化できる採用設計
柔軟なトライアル設計と文面で見極める
大量採用では、即戦力やスキルが理想ラインを上回る人材をそろえることは不可能です。
そのため、最低条件で間口を広げて採用をスタートし、「育成して早く立ち上がれる人材か」という視点で応募者を選考していきます。
通常の採用 → 要件を細かく設定してミスマッチを減らす
大量採用 → 要件を絞るほど母数が減り選ぶ余地がなくなるため、絶対に外せない要件のみに絞る
短期間かつ少ない接点で応募者を見極めるために重要なのは、トライアル設計。
ユニセルでは、必ずしも実務のトライアルを行うわけではなく、稼働時に何を重視するか(スピード感、正確性など)や、難しい部分(マニュアル、工程の把握など)を事前にイメージし、それぞれに適した方法を活用しています。
例)
スピード重視
→応募文に簡単な質疑を組み込みテストとして活用(返信スピードと最低限の正確性をチェック)
正確性重視・マニュアルが複雑
→読み込む力をはかるオリジナルテスト
作業工程が複雑
→実務のプレテスト
余談ですが、選考時には応募者の返信文面も必ずチェックしています。
クラウドソーシングを活用していると、「顔が見えない相手」に仕事を頼む不安はないかと聞かれることがありますが、テキストからも「人」は充分に見えます。
「丁寧な人だな」「細かそう」といった素直な印象は意外と外れないもの。クラウドワークス時代から続けているテキストコミュニケーションで培った感覚をもとに、返信文面も見ながら応募者を選考しているのです。
具体的な手法|大量修正を予防!トライアル結果で育成判定&発注コントロール

6500件分の対応想定人数ギリギリだとリスクが高いため、多めに人数を見積もり、「育成」「発注量コントロール」を行うことを前提に採用を行いました。
特に人数が必要だった執筆パートでは、
少量(2~3件)をトライアル発注
品質を評価しランク分け
ランクごとに「育成」と「修正」のフォロー体制を構築
作業者への発注量とコミュニケーションの最適化
を行っています。ランク分けまでを数日で行うことで、1週間後には一定量が制作できる体制が実現しました。
【ランク分けとフォロー体制】

図のようにランクを分け、まずは校正者が修正・育成に集中するライターをグルーピングします。
さらにランクによって発注量を調整し、昇格/降格の判定を定期的に行うことで、校正パートを最大限に活かしながら一定品質を保った制作体制が構築できるのです。
また、最も人数の多い執筆パートでは、敢えて作業者が質疑できる環境を用意していません。ユニセルからの発信は「発注案内」「校正者からのフィードバック」「検収案内」の3点のみです。
質疑は個別回答せず適宜マニュアルに反映させる運用にすることで、負荷の大きいディレクターのコミュニケーション工数を抑え、全体の進行管理に集中できる設計にしています。
対話と気遣い|「最短」「ラク」「ミス削減」を追求し、ブラッシュアップし続けるディレクション
何を拾い、どう調整するか
「執筆パートでは作業者が質疑できる環境を用意しなかった」と前述しましたが、作業者の声を拾わないわけではありません。
今回、最も品質ブレが起きやすいと予想していたのは執筆パートです。膨大な文章を一定品質レベルにそろえる必要があるため、品質維持に影響が大きい校正者の声を拾うことに集中しました。
「作業者がいかにスピードを上げ、負荷を減らし、ミスなく作業できるか」という視点で声を拾い、状況を観察し、ブラッシュアップしていく。ちょっとした調整が後半に大きく利いてくることもありますし、作業者のモチベーションがグッと上がることもあります。
アウトソーシングというと固定化した業務を粛々と進めるイメージがあるかもしれませんが、ユニセルでは一度固定化しても変化を続ける案件が多いです。
ディレクションの面白さが詰め込まれた部分なので、ユニセルのディレクターは常に何かできないかを探しがちかもしれません(笑)
具体的な手法|「質」×「量」×「スピード」を観察し、声を聞く
ブラッシュアップの鍵は、
・制作物の品質
・作業量とスピード
・作業者の声
の3点を、「仕組みやマニュアル」なのか、「人」なのか、の観点で見ることです。
仕組みやマニュアル:
・同時多発的なミスがある
・全体的に想定より後退している
・同じ声が複数の作業者から上がっている
→マニュアルの見直しや納品フォーム・手順・運用方法の調整を行う
人:
・認識ズレやクセによるミス
・一部作業者が申告量に対し後退している
・個人の解釈による指摘
→個別フィードバックや発注量の調整を行う
どれも当たり前のことではありますが、早めにキャッチ→すぐ調整することで修正や遅延を予防できます。
また、意外とありがちなのがオーバーパフォーマンス。
校正者であれば、
「間違いでない最低限のレベル日本語」 → 「美しい日本語」
「レギュレーションに抵触しない文章」 → 「より分かりやすい文章」
のように、こちらが求めているもの以上の対応をしてくださる方も多いので、早い段階で認識をすり合わせておくことも重要です。
他にも、
・一括修正ができるスクリプト
・不備が自動検知できる関数
・作業しやすいシートへの微調整
など、よりミスが減り早くてラクに作業ができることであれば、時間を割いて調整します。
ユニセルでは固定化したタスクやルーティン業務ではない案件をいただくことが多いので、途中のちょっとしたトラブルや追加業務はつきもの。
順調に進んでいても常にベストな状態にブラッシュアップしておくことで、不測の事態に対処する余裕が生まれ、ディレクションスキルも身についていきます!
進める中で見えてきた課題と判断ポイント
課題は選定企業不足による工数増加とライターの品質ブレ
1.【企業選定】収集&選定が複数回にわたり発生

当初の要件は、20業種のカテゴリごとに、
・企業数(コンサル:900社、システム開発:500社など)
・エリア
・掲載要件(法人規模など)
の指定があり、まずは「エリア×カテゴリ」でGoogle検索。
掲載要件を満たす企業を選定し、足りなければクライアント指定の企業情報データベースサイトで補填し対象企業リストを作成してから執筆に進む想定でした。
しかし、都道府県別に何企業ずつピックアップするなど、縛り条件が多く、リスト作成が難航。
さらに、
・他カテゴリとの企業重複(どちらのカテゴリで掲載するかの判断必要)
・事業内容の相違や、事例がない
・クライアント指定NG企業の追加要件
・掲載条件は満たしているが、情報が薄くPRが書けない
など、途中で取り下げになる企業が多く、22万件のデータを出しても足りず……。
取り下げを想定し多めに選定していたものの、想定以上に指定の6500件に届くまでのハードルが高く、都度補填が必要な状況でした。
2.【執筆】ライターの品質ブレ
自由度の高い執筆パートは開始前から品質のブレが懸念されましたが、
・ビジネス理解が弱い
・カテゴリごとに難易度が異なる
といった課題があり、膨大な件数で一定の品質をキープする難しさがありました。
特に、類似サービス(システム開発とアプリ開発、人材派遣と人材紹介など)の書き分けが難しく、該当のカテゴリページに載せる情報として、企業ホームページから何をピックアップすべきかを、ライターと校正者の双方に理解してもらうのが最大の課題でした。
依頼側で調整したことは
1.【企業選定】要件を見直し、チームでベストアンサーを追求
掲載企業のGoogle検索を開始後、早い段階で数が足りないと判断して企業情報データを購入しました。
検索で可能な限りの企業を収集しながら、同時に購入したデータを精査。それでもまだ数に満たないカテゴリがあったため、検索条件や、そもそもの設定数を見直し、都度クライアントやメンバーと相談しながら最適解を探していきました。
クライアントと一緒に起きたことへのベストアンサーを探し、やり切ることがミッション。今回は特に数が膨大なので苦労もしましたが、調整の結果、6500件を無事納品しきることができました。
2.【執筆】カテゴリ別マニュアルの作成と割振り調整
まずはカテゴリ別にマニュアルを作成し、推奨する情報や、類似カテゴリでの書き分けのポイントを明示しました。
ライターには敢えて類似カテゴリを発注し、書き分け方を指示。書き分けができなかったライターは、
・単体でも書きやすいカテゴリに担当変更
・発注量を抑える
など、細かい割振り調整で修正量の増加を防ぎました。
ディレクター側の手間はかかりますが、「ボリュームが多い」「自由度が高い」案件は、こういった微調整が後々利いてきます。後のことや作業者負荷を考え、ディレクターがまず踏ん張るのも、ユニセルらしさかもしれません。
今回も、限られた校正者で納期内に完了させるには、修正段階で校正者が巻き取るよりも効率よく・負荷も最小限に進めることができたと思います。
結果
2.5ヶ月×6500件を無事完走
今回の案件を自社でやろうとすると、
・社内の人員60名前後を一時的に異動
・または100名前後を兼務
・採用(150名採用に2.5ヶ月はかかる)
の3択が考えられます。
今回、ユニセルが入ったことで、2.5ヶ月で6500件を作り切るところまで完走。上場も視野に入れているなか、最速で一定レベルの品質のものを作ることができました。
【ユニセルの伴走スタイル】本事例から見る再現性
向いている/向いていないケース
○ 早い体制構築が必要
○ 複雑・複合業務
○ 要件整理が難しい業務
→「短納期」×「大規模」など、難題が掛け合わさっている(業務設計と進行管理が大変、ゴールは決まっているが発注者側で成功イメージができていない)
○ 未経験の新規事業
△ 「大量」×「個人情報」
△ 「簡単」×「安価」
再現できる理由
早い体制構築
クラウドワークス出身者が対応しているため、大人数を要件にあわせて一気に採用するのが得意なメンバーがそろっています!
ゴールから逆算した業務理解→設計が得意
ユニセルのアウトソーシングは、クライアントも初挑戦となる業務も多いため、依頼段階では見えていない部分もあります。
依頼時にバチッと決まっていなくても、まずは今見えている要件を伝えてみてください。ユニセルのこれまでの経験から、まずは何を詰めれば良いのかを洗い出し、ゴールをイメージしてこちらで設計していきます。
走り出してからも調整できる
開始後は規定の要件で黙々とタスクをこなすイメージが強いアウトソーシングですが、想定と違う事態が起きれば事実ベースで相談し、都度ベストアンサーを探して調整するのがユニセルです。
「できない」「無理難題」をできるまで考えることが好きなユニセルのメンバーを、ぜひあなたの事業のパートナーにしてみませんか?
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